ライティング

[第3回]Webライティング基礎講座:文章構成はPASONAの法則

セールスレター

こんにちは。あるいは今晩は。太田です。
ここまでWebライティングの基本を書いてきました。まだ読んでいない方は下記をご覧ください。

文章の基本
[第1回]Webライティング基礎講座:超基本なのに誰もやっていないこと。ネットビジネスはライティング、つまり文章力で決まると言っても過言ではありません。そんなライティングの基本的な知識とテクニックをメルマガ歴14年の太田が教えます。...
ヘッドライン
[第2回]Webライティング基礎講座:強烈なヘッドラインの作り方セールスライティングを書く上でもっとも重要になるのがヘッドラインです。なぜならつまらないヘッドラインであれば本文さえも読んでもらえないから…...

ここからはいよいよ、文章構成を考え文章全体を完成させていきます。その前に第一回でもお話しましたが、超基本的なことをもう一回お話しておきます。

これは僕も人のことは言えないのですが・・・誤字脱字です。ひとつの記事に一個二個の誤字脱字なら許される範囲内です。

まあ、それでも無いのがベストですが、僕もメルマガを送信する前、ブログを更新する前には必ず2回程度見直します。それでも、誤字脱字は完璧には無くなりません。出版される本の中にも誤字脱字はあるぐらいですから、間違いゼロは無理だとしても、出来るだけ誤字脱字はなくしましょう。

特にパソコンやスマホで文字を書くようになった現代では変換間違いが多いです。これらの間違いは「見直しチェック」をするだけで、随分と改善されますが、それすら行わないのは意識の問題でしょうか・・・そういう人が、かなりの数います。

誤字脱字が一個二個で成約率などの数字に直接影響を与えることはありませんが、あまりにも多い場合は信用度が落ちてしまいます。

また誤字脱字とは、ちょっと違いますが「、」と「。」と「,」の使い方、これも間違っている人が多いです。このあたりは小学校で習ったそのままの使い方でOKです。特に漢字が並ぶ文章を書く時には要注意です。例えば・・・

「昨日午前中東京へ行きました」
という文章は、これだけで不自然となります。正しくは・・・

「昨日、午前中に東京へ行きました。」
となりますが、ここで僕はひらがなを上手く使うようにしています。

「きのう午前中、東京へ行きました」
このように漢字をあえて、ひらがなやカタカナに変えることで文章そのものが伝わりやすくなる場合があります。僕がよく使うのは下記のようなもの。

僕⇒ボク
私⇒わたし
昨日⇒きのう
今日⇒きょう
一つ⇒ひとつ
貴方⇒あなた
最も⇒もっとも

このあたりは経験とセンスも問われるのですが、文章は出来るだけ「やわらかく、それでいて安っぽくならない、そして伝わりやすい」ということが重要です。

文章の書き出しが・・・「貴方と私には…」と書くのと「あなたと私には…」と書くのとでは相手に与える印象はまったく違いますよね。「貴方」と言われただけで、何だか自分が悪いことをしたかのように伝わります(笑)
では本題に入ります。

文章構成はPASONAの法則を使おう。

さて、いよいよレターを書いていくわけですが、文章構成で最も基本的な法則は、今も昔も変わらず「PASONAの法則」です。僕もここ10年、色々な構成を試しましたが、最後に行き着くのはPASONAの法則でした。

PASONAの法則とは日本のマーケティングの神様と言われる神田昌典先生が考案したと言われる売れる文章構成です。具体的には、各イニシャルをとって、下記のように構成しています。

【Problem問題】問題点を明確化する
【Agitation扇動】問題点を煽り立てる
【Solution解決策】解決策を示す
【Narrow down絞り込み】対象客や期間を限定する
【Action行動】行動を呼びかける

最初のProblemはプロブレム、つまり問題という意味ですね。ここでは「問題提起」のことをいいます。お客様が抱えている問題をずばり指摘してあげるんです。例えば・・・

「最近、体脂肪が気になりませんか?」

この例だと、体脂肪が気になる人、つまり肥満の人に向けて語りかけているわけです。いってみれば、このレターは誰のためのレターか?というターゲティングを兼ねています。

次にAgitationとは、日本語で「興奮、扇動」という意味です。Problem(問題提起)で見込み客が抱えている問題を指摘したら、さらにその問題を煽りたてるのです。言い方は悪いですが、不安を煽るようなことを書くのです。具体的には、問題を解決しなかった場合の最悪のケースを提示します。先ほどの体脂肪の例でいうと、こんな感じです。

「そのまま放置すれば、糖尿病になるリスクもあります。今はいいかもしれませんが、将来的には非常に危険です。」

読者は不安になります。このタイミングでSolutionが入ります。
Problem(問題提起)→Agitation(扇動する)ときて、読者は「なんとかして問題を解決しなきゃ!」という気持ちでいっぱいになります。そこで登場するのが、solution(ソリューション)。つまり、解決策です。見込み客の悩みを解決する商品を紹介します。

「でも、安心してください。このサプリがあれば安心!飲むだけで気になる体脂肪を燃焼してくれます」

ここでは、商品の説明に留め、まだセールスはしません。その代わり、ライバル商品との比較だったり、お客様の声だったり、ベネフィットを並べていきます。(ベネフィットとは、商品を買って得られる効果のことです。)

次にNarrow down(限定する)Narrow downは「絞り込む」という意味です。PASONAの法則では、期間や個数を限定するという意味ですね。期間や個数を限定することで、商品の希少性や、いま購入しなければいけない緊急性をアピールします。つまり、購買意欲を刺激するのです。

「今から30分以内に申し込むと、もう一個プレゼント!!

そして最後がAction(アクション)。読者を行動に移します。「お申し込みはこちらをクリック」など。最後の最後で行動しない人もいるので、このように何をすればいいかを明言することが大事です。大雑把に書くとこんな感じになりますが、もう少し掘り下げて行きましょう。

セールスライティングはワンパターンで出来ている。

では、もう少し詳しく掘り下げていきましょう。

1・問題の明確化(Problem)

いったいお客はどんな場面で怒鳴りたくなるほどの怒りを感じているのか?どんなことに夜も眠れないほど、悩み・不安を感じているか?どんなことに自分を抑えきれないほどの欲求をもつか。

「最近、体脂肪が気になりませんか?」
「借金を抱えて悩んでいるのではありませんか?」

「将来に得体の知れない不安を抱えていませんか?」

2・問題のあぶり出し(Agitation)

その怒り・悩み・不安・欲求をお客が感じる場面を視覚的に描写する。

「そのまま放置すれば、糖尿病になるリスクもあります。今はいいかもしれませんが、将来的には非常に危険です。」

「このまま借金を先送りしていると最悪は自己破産となり住む家を失い、食べていくのも困難な状況に陥ります。」

AI化が進むと今の職業の半分はなくなると言われています。働きたくても働けない…これがあなたの不安の正体ではないでしょうか?」

3・解決策とその証拠(Solution & Evidence)

なぜこの商品はその悩みを簡単に、短期間で解決できるのか?それを聞いたとたんお客はどんな疑いを持つか?その懐疑心を吹き飛ばす、具体的・圧倒的な証拠は?

「でも、安心してください。ダイエットサプリ「〇〇」があれば安心!飲むだけで気になる体脂肪を燃焼してくれます」

「借金を返すにはズバリ!収入増を目指すしかありません。それには投資番手っ取り早いのです」

AIが進むのであれば、あなた自身がAI化に対応した仕事を身に付ければいいのです。そしてそれには「〇〇」が最適です」

4・緊急性-絞込み(Narrow Down)

欲しいと思ったものが指の間をすり抜けていくとき・・・その状況を作り出す。

「今から30分以内に申し込むと、もう一個プレゼント!!
「申し訳ございませんが、あまり多くを売る気はありません。」
「数に限りがあり限定で100名様のみとさせて頂きます」

5・行動への呼びかけ(Action)

次のステップへの行動を明示する。電話して欲しいのか?登録して欲しいのか?それとも無料サンプルを請求して欲しいのか?

「お申し込みはいまスグお電話で!!0120-000-000まで!今すぐですよ」
「お申し込みは下記のボタンをクリック!!
「今なら無料サンプルプレゼント!ただし今だけです」

この1から5にあなたの商品を当てはめ、そしてもっと具体的に内容を書いていくだけです。手順としては簡単です。

お昼や深夜のテレビショッピングなどを見ると、面白いようにこのPASONAの法則に当てはまっているのが分かると思います。そしてこの法則は20年前から、ひとつも変わっていません。あのジャパネットTAKATAのテレビショッピングも、まったく同じ手法を使っています。ショップジャパンも同じです。そしてこのPASONAの法則をもう少し嚙み砕いてシンプルなものにした構成がこちらです。

売れるセールスレター基本構成

構成1:メリット
ここに私の得する情報はあるのだろうか?

構成2:悩みの明確化
今あなたはこんなことで悩んではいませんか??と問い掛ける。

構成3:共感する
実は、私も昔同じような事で悩んでいました・・・・。

構成4:解決
しかし、ある事を知ったとたんウソのように悩みが解決しました。

構成5:証拠
信頼してもらうための証拠写真や資料を提示。

構成6:緊急性
しかし、多くを販売する気はない。限られている。限定○○個。

構成7:突き放す
迷っているのなら買わない方がいいです。

具体例

「あなたはお洒落をしたいけどサイズが無いと悩んでいませんか?」

「好きな男の子とのデートに素敵な服を着て行きたいですよね!?」

「私もそうでした・・・昔は太っていましたから・・・・」

「でも、○○を使ったとたん、みるみる体重が減っていったんです!」

「この写真を見て下さい!これが昔の私です!信じられます??」

「今ならお買い上げのお客様に○○も付けます!今だけです!!」

こんなテレビショッピングを見た事はありませんか??笑
笑っちゃうぐらいワンパターンです(笑)しかし…これが20年前から変わらない絶対法則なのです。このパターンでセールスレターを書くだけでバカ売れするのです。時代は変化しても人間の心理は変わらないってことですよね。

言葉に強弱をつけてライティングを完成させる。

ここまでで記事が完成したなら、その記事の何カ所かに第二回の基礎講座で習った「強烈なヘッドラインの作り方」のテクニックを入れていきます。どのテクニックを使ってもいいでしょう。

ヘッドライン
[第2回]Webライティング基礎講座:強烈なヘッドラインの作り方セールスライティングを書く上でもっとも重要になるのがヘッドラインです。なぜならつまらないヘッドラインであれば本文さえも読んでもらえないから…...

例えばダイエット商品を売る時、Solution解決策、提示の時に…

「食事制限で痩せるのではなく、サプリで体脂肪を減らすのです」

これは「伝えたい言葉の前に反対語、類義語をもって来るテクニック」でしたよね。この文章が一つ入るだけで、セールスレターが一気に強くなり、成約率も一気に上昇します。また「事実を入れる」を使うことにより文章全体がグッと締まります。例えばProblem問題のところで…

「厚生労働省の発表によると日本の肥満者の割合は男性で35.1%、女性で27.4%となっております。あなたは大丈夫でしょうか?」

といった感じで出来上がった文章を前半に習ったテクニックで変えていくのです。ここで大事なのが文章に強弱をつけるということ。

すべての文章にテクニックを使うと、くどい記事になってしまいます。ジョブスのスピーチを思い出して頂きたいのですが、テクニックを使うのはあくまでも、大事なところでのみ!長文であれば2~3つ程度、ブログの記事のように短い文章であれば1~2個程度のみです。

あとは普通に文章を書くだけで、自然と文章の強弱が出てきて、飽きられない文章となります。では、もう一つぐらい例を挙げておきましょう。

「借金は返しちゃいけません。減らすのです」

これはSolution解決策のところでテクニックを使ってみました。「借金は返しちゃいけません」ということで、一般的ではない非常識なことを入れ、テクニック2の伝えたい言葉の反意語、類義語をそのあとに持ってきています。これは非常に反応の良かったレターとして完成しました。

こうして完成したレターにテクニックを組み合わせていくとセールスレターは無限に出来上がります。はじめのうちはいくつかサンプルを作って、ブログなどで反応を計測し、もっとも反応が良かったものを採用していく…そんな感じでホームページは出来上がっていきます。

セールスライティング最後のヒント。

さて、最後の最後に、とっておきのテクニックを書いて終わりにしましょう。テクニックと言っても大したことではありません(笑)でも、たぶん大切なことです。

インターネットの出現で僕達は、世界中の優秀な起業家やインフルエンサーの方たちの叡智に触れることが出来るようになりました。前回ジョブスのスピーチを紹介しましたが、もしいま、世の中にインターネットが無ければ、あのスピーチを聞けたのは、スタンフォード大学の卒業生と、その関係者だけで、わずか数百人しか聞けなかったことになります。

しかし僕達は本当に恵まれていて、あの伝説的なスピーチを無料で何回も聞くことが出来ます。こういったことは、あのスピーチだけではなく、例えばまたジョブスのお話になりますが、プレゼンの天才と言われた彼の人生最高のスピーチと言われたものも聞くことが出来ます。

そのスピーチとはipadがはじめて、この世に出てきたときのプレゼンです。まだユーチューブなどで映像が残っていると思いますので、後ほど、あなたも探してみて頂きたいのですが、彼はipadを次のように説明していました。

A4の茶封筒に入る大きさ」

今でこそipadは世界中の人が知っているタブレットになりましたが、当時はこれが何なのか?誰も分からなかったのです。

どんなものか?どんな大きさなのか?どれほど重たいのか?そういった疑問をジョブスは上記の言葉一つで解決させたのです。

日本のプレゼンターはなぜか難しい言葉を使いたがります。その代表的な人が小池都知事ですよね(笑)

「ワイズスペンディング」だとか、「ダイバーシティ」だとか、英語の弱い人には何のことだかよく分かりません。コロナの時もそうでした。誰よりも早く「ロックダウン」という言葉を取り入れましたし「オーバーシュート」という言葉も彼女からよく聞きました。

おそらくこういう人たちは「伝えたい」というよりも「自分が賢く見られたい」という欲が勝ってしまうのでしょうが、これはプレゼンとしては致命的です。

プレゼンの天才ジョブスは、とにかく「分かりやすい」を意識しています。そこしか意識していないと言ってもいいかも知れません。

どう伝えれば、100人中100人に分かってもらえるか?おじいちゃんでもおばあちゃんでも、小学生でもわかる言葉、ジョブスはプレゼンの時、常にそれだけを考えていました。

日本の政治家のように、自分の知識や実力を誇示するために難しい言葉は使いません。これが、最後のとっておきのテクニックです(笑)

「わかりやすい」

どう伝えたら分かりやすいのか?そこを最重要ポイントとして文章を考えて欲しいのです。冗談の様ですが、これが最も重要だと僕は考えています。

最後の最後にもう一つだけ。

ジョブスはプレゼンの最後に「もうひとつだけ」とよくやります。そして、この「もうひとつだけ」が、かなり効果的となります。これはレターや文章に置き換えると「追伸」や「PS」となり、ここに最後の一押しを入れるとセールスレターの成約率は一気に上がるのです。

そこで「追伸」「PS」「もうひとつだけ」にはジョブスと同じテクニックの「繰り返す」を入れてください。ジョブスのスピーチは…

Stay Hungry. Stay Foolish.
(ハングリーであれ、愚か者であれ)

これを3回繰り返しただけで伝説にまでなりました。ここには、他のテクニックなどは使わず、あなたの心のままを書くといいと思います。あなたがお客さんのことを想うのであれば、その気持ちをそのままに繰り返す。恋人のことを想うのであれば、その気持ちのまま繰り返す。それが一番相手には響くでしょう。だから僕も、いま思っている言葉をそのまま言葉にして本当の終わりにしようと思います。

 

知っただけではなく、行動しよう。書こう。
文章は書けば書くほど味が出ます。上手になります。

 

最後まで読んでくれてありがとうございました
太田

ABOUT ME
takayukiota
2007年にサラリーマンを辞め独立。ネットビジネス、トレードを行いながら今日まで生き抜いてきました。これからはスマートビジネス、つまり組織に頼らず個人で活躍する時代が来ると思いますので、このブログが少しでも役立てば嬉しいです!