ライティング

[第2回]Webライティング基礎講座:強烈なヘッドラインの作り方

ヘッドライン

こんにちは。あるいは今晩は。太田です。
前回記事の続きになりますので、前回記事を読んでいない方はまず下記をご覧ください。

文章の基本
[第1回]Webライティング基礎講座:超基本なのに誰もやっていないこと。ネットビジネスはライティング、つまり文章力で決まると言っても過言ではありません。そんなライティングの基本的な知識とテクニックをメルマガ歴14年の太田が教えます。...

今日は文章以前の問題。ヘッドラインです。文章はヘッドライン(タイトル、見出し、書き出し)で決まると言っても過言ではありません。

なぜかというと、ユーザーはあなたのホームページやブログだけを読んでいるのではなく、沢山の文章を手に入れ、その中からどれを読むかを決めているからです。そして、その決め手がヘッドラインです。

ホームページやブログのタイトル、文章の書き出し、こういったものがつまらないモノであれば、そこでもう読まれないということです。そこでここからは強いヘッドラインを作るいくつかの法則、方法をお教えします。この辺りから文章テクニックだと思ってください。

文章は伝える言葉の順番で決まる

世の中には同じ内容のことを言っていても、それが相手に響く人と響かない人がいます。この違いは一体に何でしょうか?結論から言えば「言葉の順番」で決まります。どういうことか?早速いくつか例を出してみます。例えばダイエットのヘッドライン。これは実際に僕が使っていたヘッドラインで、もっとも成約率の高かったモノです。

笑われたっていい。最後に笑うのは私だから。痩せてやる!

このように最後にキーワードを持ってくることによって、その言葉は一気にパワーを持つようになります。漫画家がよく使うテクニックです。

「一生迷ってろ…!そして失い続けるんだ…貴重なチャンスをっ」
カイジより

「あなたは死なないわ…。私が守るもの」
エバンゲリオンより

「自分で考え、自分で決めろ。後悔のないようにな」
エバンゲリオンより

例えば漫画カイジのこのセリフ。「一生迷ってろ…!そして失い続けるんだ…貴重なチャンスをっ」これは順番が逆でもいいわけですよね。というよりは、普通の文面は順序が逆のはずです。

「一生迷っていたら、貴重なチャンスを失い続ける」こっちの方がごく自然です。しかしカイジの作者は「貴重なチャンス」という最も伝えたい言葉をあえて後ろにもっていったと推測できます。なぜなら、これが法則だから。

テクニックというには、あまりにも雑かも知れませんが、たったこれだけのことで、文章は何倍もパワーを持ちます。なぜそうなるのか?多くの人は文章を書こうと思った時、綺麗な文章を書こうとします。そのため、小学校の時に習った主語から入って述語で終わり間に形容詞などを入れようとします。

「私は、香りのいい珈琲を飲みに行きました」

これが教科書通りの文章になります。しかし、ここが重要なのですが、普段の会話でこんな言い方をする人は果たしているでしょうか?言葉遣いの問題ではなく、この順番で話しても、ただの報告で終わってしまいますし、相手がこの報告を求めているとは思えません。そこで、きっとこう言うはず。

「珈琲を飲みに行ったんだけど、いい香りでした」

そうなんです。文章で人を惹きつけることのできる人は、文章を書いているというよりは会話を文字に起こしているだけなんです。

伝えたい言葉を後ろに持っていき、それを会話調にすると、先ほどの珈琲を飲みにいった報告はこう変わります。

「飲みに行ってきた。香りのいい珈琲をね」

言葉としては、先ほどの報告よりも不自然になります。しかし「香りのいい珈琲」にパワーが出ます。これは日常的に意識して練習してみてください。何でもない毎日にちょっとずつ変化が出てくるかも知れません。

「今日行かない?ラーメン食べに!」
「ずっと欲しかったんだよね!
iphone!」
「来週誘っていい?デートに!」

何でもないこの日常的な会話でも、ちょっと順番を入れかえるだけで、相手に与える印象はかなり変わってくるはずです。

僕はかなりのドラマ好きなのですが、「空飛ぶ広報室」というドラマがあります。綾野剛さんと新垣結衣さんが主演のドラマです。ぜひ、このドラマを見て欲しいのですが、綾野剛さん演じる空井大祐は、ちょっと人と話す順番が違うんです(笑)

その「変」に新垣結衣さん演じる稲葉リカさんが惑わされ、やがて恋に落ちていきます(笑)空井大祐が意図的にそうしているかどうかは分かりませんが結果として、あんなに可愛い子を虜にしてしまうほど、順序は大事です(笑)言葉という意味以外でも、とってもいいドラマなのでぜひ見てください。

要点まとめ

伝えたい言葉を文章の一番最後に持ってくる

人を感動させ涙させるテクニック

ここからは、「言葉の順番」の上級編になります。まず伝えたい言葉を後ろに持っていきます。そして、その言葉の前にそれと反対語、もしくは類義語を持ってくると、さらに言葉にパワーを増し、とてつもない破壊力を持ちます。時に人を感動させ涙させるほどの力にもなります。このテクニックでもっとも有名なものがこれです。

「これは私の勝利じゃない。あなたの勝利だ」

これはバラク・オバマ氏の大統領就任演説で一言。この言葉に多くの米国民が涙しました。もともとオバマ大統領が言いたかったことは「この選挙での勝利は皆さんの勝利だ」ということでした。

それを演説ライターのジョン・ファブロー氏が法則に則り作り替えたと思われます。まず法則に則り「あなたの勝利」という言葉を一番後ろに持っていきました。ここからが上級テクニックになりますが、「あなたの勝利」の反対語、もしくは類似語をその前に持ってきます。

「あなたの勝利」の反対語は「私の勝利」となりますので、あとは適当にこの二つの文面を繋ぎ合わせるだけです。すると…「これは私の勝利じゃない。あなたの勝利だ」となります。この法則で言えばこんな文面でも良かったはずです。選挙で戦ったマケイン氏を使って…

「マケインが負けたんじゃない。君たちが勝ったんだ」
「これからアメリカは勝つ。君たちが勝ったようにね」

僕がオバマ氏のライターであればこんな文章を作っていたかも知れません。あなたも、次回の総裁選を見据えて、自分がライターになったつもりで言葉を作ってみましょう。法則さえ知っていればいくらでも作れます(笑)

例えば、長年続いた自民党政権を破り、新党日本という新たな政党が過半数を取ったとしましょう。代表はあなたです。つまり時期総理大臣です(笑)さあ、就任演説でどんな言葉を言えばいいでしょうか?オーソドックスに法則を使うならこうなります。

「これは私達の勝利じゃない。あなたの勝利だ」

これだとオバマ氏の演説を覚えている人から「パクリだろ」と言われる恐れがあります(笑)そこで、まずは、もっとも国民に伝えたい言葉を考えましょう。

「ここから日本は変わる」

これを伝えたいと思うなら、この言葉を一番後ろに持っていき、その前に反対語か、それに似た言葉を合わせましょう。すると…

「変わるのは政権じゃない。あなたたちの生活です」
「政権は変わった。今度は日本が変わる番だ」

こんな感じになるのではないでしょうか。法則さえ知っていれば、どんどん言葉が出てきます。実際に、自分でもやってみると簡単なことに気が付きますので、ぜひやってみてください。日本や世界には現代にも引き継がれている数々の名言があります。また名言製造機と言われる日本の漫画にも多くの名言が残されています。中でも、僕がもっとも好きな言葉が実業家の高橋歩さんのこの言葉…

「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ」

この言葉も、このテクニックから出来上がっていることがよく分かります。他にもいくつかの名言を見てみましょう。

「倍返しじゃない。10倍返しだ」
ドラマ半沢直樹より

「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」
ホンダ技研工業創始者、本田宗一郎

「夢は近づくと目標に変わる」
元NYヤンキースイチロー選手

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ」
ドラマ踊る大捜査線より

「私は正義の味方じゃないの。悪の敵よ」
アニメ偽物語より

「明日から頑張るんじゃない。今日だけ頑張るんだ」
マンガ、カイジより

「お前のためにチームがあるんじゃない。チームためにお前がいるんだ」
漫画スラムダンクより

「正直が一番だと子どもたちに教える前に、正直な世界を築く必要があると思う」
バーナード・ショー

「できないことに気を取られずに、できることをやりなさい」
ジョン・ウッデン

「生きるとは呼吸することではない。行動することだ」
ジャック・ルソー

日本の名言はもちろん、海外の名言でも、この法則が使われていることに気付くことが出来ます。つまり言葉・文章の法則というのは国境を越えるということでもあります。そして古くから使われていたということにも気づきます。この法則は国を越え、時代を越え使われている最強の法則と言ってもいいでしょう。

要点まとめ

伝えたい言葉の前に反意語、もしくは類義語をもってくる

20世紀最高のマーケッターのテクニック

これは10年ほど前に流行った文章テクニックですが、未だに効果抜群で多くのライターが使っている技術でもあります。出所は下記のキャッチからと言われています。

「私がピアノに向かって腰かけると、みんなが笑いました。ところが、ピアノを弾き始めたとたん・・・。」
ジョン・ケイプルズ

ジョン・ケイプル

これは実際に使われていた当時のDMです。ジョン・ケイプルズとは20世紀最高のマーケットと呼ばれていた人物で彼がコピーを手掛けた商品は次々と売れていったそうです。そんな彼の最高傑作となったコピーが上記のキャッチコピーです。

この言葉の法則は「私が〇〇すると、でも・・・」と続くように作ること。例えば僕も使わせて頂きましたが…

「私がダイエットをすると言うとみんなが笑った。けど一ヶ月後、私の体を見た人達は…」

といった感じです。これは強い言葉、強い文章というよりも「気になって仕方ない文章」と言えるでしょう。結果、のちに強烈なインパクトを残します。

ネットビジネスを行っている人で、ブログのタイトルやメルマガのタイトルに困った時は、このキャッチを使うと良いかと思います。

「僕がトレーダーになると言った時、みんなが無理だと言った。けど、僕の収入はいま…」
トレードのブログより

「僕がマウンドに立つと、みんなが笑った。だけど、投球練習一球目で…」
野球のブログより

「禁煙するぞ!といった時、みんなに無理だと言われた。けど、いま僕の健康診断の結果は…」

ポイントは「えっ?最後どうなるの?続きが知りたい!」と思わせること。それにより、文章そのものが強いというよりは、強い印象が残るということです。

要点まとめ

ジョン・ケイプルズの法則を使う。

最低から最高へ。

これは僕の好きなパターンで「最低から最高へ」という法則です。まずは例を見てみましょう。

「自己破産した男がゴールドカードを持っていた」
「中卒の彼が東大合格を目指している!」

自己破産や中卒といった負のイメージから最高の言葉へ繋げることによって文章全体に重みが出てきます。テクニック2よりも比較的簡単に作れて、なおかつ、強いメッセージ性を持ちます。ライティング初心者が使うテクニックとしては最も一般的なものですが、初心者だけではなく、プロまで使える技です。ここはあまり考えずにホント、そのままシンプルでイイと思います。

「ペーパードライバーが一級ライセンス」
「末期がんの患者が
10年後も元気」
「デモトレーダーが今では専業トレーダー」

といった感じです。テクニック2よりも弱いですが、何も考えず、ごくごく自然に使えるのがこのテクニックの特徴です。またブログのように長文を書くとき、テクニック2を使い過ぎると、文章全体が不自然になりますので、そういったときは、ところどころにこのテクニックを入れてあげると文章全体がとてもいい感じに仕上がります。

3回繰り返すと言葉は強くなる。

これもよく使われるテクニックで、文章ではもちろんですが、演説や講演なんかでもよく使われます。それは「繰り返す」ということ。もっとも伝えたい言葉を、ただ繰り返すだけです(笑)なんて事はありません。

このテクニックを使った代表的なものがアップルの創始者であるスティーブ・ジョブス氏が2005年、米スタンフォード大学卒業式で行ったスピーチです。

Stay Hungry. Stay Foolish.
(ハングリーであれ、愚か者であれ)

彼は、この言葉を学生たちにどうしても伝えたかったのでしょう。スピーチの最後10秒間に3回繰り返しています。実際に、あなたもこのスピーチを見て頂きたいのですが、全体で15分ほどあるのですが、残り1分まで正直、つまらないスピーチでした(苦笑)

現に、動画を見ると分かりますが、聞いている学生も皆、原稿をうちわにして扇いだり、つまらなさそうにしています。しかし、最後の10秒で、この言葉を繰り返すことで、のちにこのスピーチは「伝説のスピーチ」と言われるほどになったのです。

僕もこの技法はよく使いますが、例えば「あなたなら出来る」ということを伝えたい時、文章の後半部分に何度か繰り返すのです。

あなたなら出来ます。もう一度言います。あなたならきっとできる。

こんな感じですね!こうすることで、一回「あなたなら出来る」と言われた時よりも、ずっと心に残ると思うのです。この繰り返すテクニックは、文章の最後に使うと効果的です。繰返して文章を締めると、その文章全体が引き締まります。現にジョブスのスピーチはStay Hungry. Stay Foolish.でしめています。

https://youtu.be/XQB3H6I8t_4

事実をしっかり伝える

最後のテクニックになりますが、これはどこでも教えていないテクニック。僕の中ではテクニック2に匹敵するぐらい強い言葉、強い文章になります。おそらくライターの方も誰も気が付いていないと思うのですが、「事実に勝るもの無し」ってことです。

コピーライティングやセールスレターと言えば、ついついカッコいい言葉を並べたがります。ここまでのテクニックを使って、名言のようなものを作りたくなります。もちろんそれはOKです。しかし、どんな名言も、どんなカッコイイ言葉も、どんな感動する言葉も「事実」には勝てません。

「ついに日経平均株価が25,000円を超えました」
「あのソフトバンクの売上高が3兆円を超えました」
「米国の個人所得が前月比プラス0.5%でした」

このように間違いのない事実に基づいた文章をひとつ入れるだけで、その記事全体の信憑性が一気に増します。数字を入れると尚いいでしょう。

世の中が感情的価値観から合理的な価値観へ移ってきている今の時代、事実に基づいた記事は本当に強いなと最近つくづく思います。

事実を語るには、確かにそれなりの知識を入れておく必要がありますが、そこまで特別な情報じゃなくてもOKです。ネットニュースで手に入るような情報で十分かと思いますし、自分の得意分野をひとつ持っておくとベストです。

出来れば上級編として、多くの人が興味があって、なおかつ、なかなか知り得ない事実があればすごく良いです。例えば…

「厚生労働省の発表によると2017年の日本の平均所得は421万円でした。日本の平均所得は1997年の467万円をピークにどんどん落ちています。」

といった感じ。日本の平均所得は誰もが興味があります。しかし、その数字は、自分で調べないとなかなか出てきませんし、それが下がり続けているということも、知っている人は少ないでしょう。

このように間違いのない事実に基づいた文章を一つ書けば、その文章全体が信憑性を増し、また何となく価値ある文章にも見えてきます。

この後の章で詳しく説明しますが、ブログ、メルマガ、ホームページなど、長文を書く時には、このテクニックを一つ入れると、その文章全体が強くなります。おそらく経験豊富なライターは、ごくごく自然に無意識のうちに、このテクニックを使っていると思いますが、これを教えているところはありません。ぜひ、このテクニックは覚えておいてください。そして誰にでも出来ることなので必ず使いましょう。

次回へ続く。

ABOUT ME
takayukiota
2007年にサラリーマンを辞め独立。ネットビジネス、トレードを行いながら今日まで生き抜いてきました。これからはスマートビジネス、つまり組織に頼らず個人で活躍する時代が来ると思いますので、このブログが少しでも役立てば嬉しいです!