コラム

起業家視点から、いじめ問題について思うこと。

いじめ

僕の住む北海道に旭川市という街があります。北海道では札幌に次ぐ二番目の街です。この旭川市で最低最悪ないじめ事件が起きたのをご存じですか?

事件が起きたのは昨年の3月。女子中学生が氷点下の旭川市で凍死しました。北海道の中でも旭川市というのは、めちゃくちゃ寒い街で冬にはマイナス15度ほどになります。そんな気温の中、女子中学生が失踪し翌日に遺体で見つかったのです。

当時は事件ではなく事故として扱われていました。しかし、あの文春がやってくれたんですね。文春が取材を行う中で、この女子中学生が壮絶ないじめにあっていたことが分かったんです。

その内容はあまりにひどくて…ちょっと文章には起こせないほどひどい内容でした。(中学生がやることとは思えません…)しかし学校側も教育委員会側も、そして旭川市も、いじめの事実はなかったとしていました。

そこで遺族が真相を知りたいと、第三者委員会が発足し、メディアでもこの事件を取り上げるようになりました。もし遺族が声を上げなければこの件は闇の中でした。

真相は明らかになります。文春が言うようないじめが本当にあったのか?学校側は本当にいじめを隠蔽しようとしたのか?

そして最近になって分かったことは、死体検案書に間違った記載があったとか。これが意図的かどうかは分かりませんが…こうなると、もう遺族としては医者も警察も学校も行政も信じられないと思います。

かなり闇の深いこの事件。遺族側の弁護士だけが頼りになりますが、真相が明らかになって欲しいと思います。

僕は毎年、この時期に同じ記事を書きますが、1月と9月は子供の自殺率が急増するそうです。

「夏休みや冬休みが終わってまたいじめられる…」という絶望感からそうなるのでしょう。

あくまでも僕の考えですが。僕は一個一個間違いを正していく必要があると思う。まず僕は基本的にいじめはなくならないと思っています。構造上、それは仕方のないことだと思う。

でも、今の日本の教育現場では「いじめを根絶しよう」としています。だから、いじめが起きた時、なかったことにしようと隠蔽するんです。

できない事をしようするから、いじめ対応に弊害が生じると思っていて、まず「いじめは必ず起きる」を前提に学校運営をすると対応が変わってくると思うんです。

教育委員会や文科省も「いじめがない」を評価するのではなく「いじめに対応した」を評価するようにする。

すると隠蔽もなくなり、いじめがあった時点ですぐに対応するようになる。いじめを無くすのではなく最悪の事態を回避するという考え方ですね。

まあ、交通事故に似てますよね。交通事故はどれだけ注意していても必ず起きます。ゼロにするのは不可能だと思います。でも、死亡事故はゼロにできるかも知れません。技術の進化や取り締まりの強化で年々減ってきてますから。

だから、できない事を目標にしないってことが第一歩だと思います。

次に、これは僕の経験からも言えることですが、お子さんを持つ親は全員、法律を学ぶことです。いじめの話になると必ずこんな議論になります。

「どこからがいじめになるのか?」

無視しただけでいじめか?ちょっと、どついただけでいじめか?うちも過去に一度だけ、息子がいじめられたことがありました。

その時、僕が学校へ行って、まず担任の教師と話をしたのですが、その教師はこう言ってきました。

「相手の子にも話を聞く必要があります。程度によっては、いじめに該当しないケースもあるので」

職員室で僕はブチぎれました(笑)
「あんたじゃダメだ。校長を出せ」と。ちょっと横柄でしたが子供の問題はこれぐらい真剣にやらないとダメなんです。

なぜ僕がここまで言ったかというと、この担任は法律がまるで分ってなかったからです。教育者がこんなんで自分の息子を預けられないと思ったんです。

「いじめ防止対策推進法」には次のように書かれています。

「いじめ」を児童生徒に対して当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものと定義すること。

つまりこれは、児童が苦痛を感じればどんな行為であっても、それはいじめだということ。これが、いじめの定義なんです。

相手が何をやったか、どの程度かではなく、被害を受けた方が苦痛だと感じたら、それはもういじめなんです。

確かにこれには範囲が広すぎると賛否ありますが僕は、さすが日本の法律だと思いました。これぐらい徹底しないと問題は解決しない。

そして、いじめと認定したならそれに対して、親、教育委員会、学校、行政が役割をもって対応しなければいけないと定めています。

パワハラやセクハラも同じです。嫌だなと感じたら問答無用でアウトなんです。このように制度はかなり変わってきていじめもパワハラもかなり厳しい法律になっています。

でも、それを扱う人間がそのこと自体知らなければ、まったく意味がありません。いじめに関しては教師も知らないというのが現状です。

だからまず子供を守る義務がある親が学ぶ必要があります。自分の子が、少しでも苦痛を感じていたらそれはいじめです。いじめられているのですぐに学校へ連絡して対応してもらう。

これも賛否あります。学校や教師の負担が大き過ぎると。僕はそうは思わない。確かに今の教師は仕事量が多過ぎます。だけど、それはシステムの問題で減らすことは出来るはず。

プリントの作成とか、テストの解答とか、今の時代そんなこと教師がやらなくてもいい仕事。ITを活用すれば、今の10分の1程度の仕事量に出来るはずです。

そして、もっと重要な教師にしかできない仕事に集中してもらいたい。それが、いじめ問題だったり本当の教育だったりします。それが教育現場の義務でもありますから。

ただ現状は学校も大変で対応してくれない場合もあります。そんな時はすぐに弁護士です。弁護士に相談して学校、相手の親御さんへ対応してもらう。だいたい、ここまでやれば解決します。

もし、それでも解決しない場合は訴訟。そしてそれでもダメなら引っ越せばいいんです。とにかく子を持つ親は真剣に。もう見たくないですよね…子供が自殺したなんてニュースは。

いじめはきっとなくならない。でも子供の自殺はなくせると思います。それには、まず親が真剣になることだと思います。

ABOUT ME
takayukiota
2007年にサラリーマンを辞め独立。ネットビジネス、トレードを行いながら今日まで生き抜いてきました。これからはスマートビジネス、つまり組織に頼らず個人で活躍する時代が来ると思いますので、このブログが少しでも役立てば嬉しいです!