たまに自分のポジションを捨ててみる。ということが大切だと思ってます。どういうことか?
ほとんどの人…まあ、ほぼ全員と言っていいのですが人の意見というのはポジショントークです。これが明るみになったのがコロナでしたね。
例えば緊急事態宣言が出されたとき、飲食店関係者はモーレツに反発しました。そして多くの飲食店関係者はコロナは単なる風邪だと言ってました。
なぜか?
そうあって欲しいから。そう主張しないと自分の店が潰れるからです。
僕もそうでした。社会経済活動が止まると少なからず売上は減る、毎週楽しみにしていた外食にも行けない。そんなポジションから僕も「コロナは単なる風邪だろ」と言ってました。そうあって欲しかったからです。
結局、コロナの時は、みんなそれぞれの立場から自分の都合の良いようにポジショントークをしていたんですね。
これはコロナ以外の時でも全く同じことが言えます。先日も古い友人4人で飲んでいたんです。するとサラリーマンの友人が…
「うちの会社はさ、コロナ禍でも給料がめちゃくちゃ上がってるんだ!」
みたいな話をしていたんです。すると、別な友人、彼は起業家なんですが彼は…
「へーいいね。でも会社なんて、いつ悪くなるか分からないよ。だから今のうちに色々備えておいた方がいいよ」
ってな話から口論になったんです笑。サラリーマン友人は…
「いやいや、うちの会社は大丈夫!社長も優秀だし」
一方、起業家の彼は…
「いや、今の時代は何があるかわかんないって!」
みたいな話になって、どんどんヒートアップしていきました笑。あー、二人ともポジショントークしてるな、と僕はちょっと引いたところから眺めていたんですが。。。
サラリーマンの彼は自分の会社がダメになって欲しくないという立場。起業家の彼は自分は起業して成功したからお前も起業した方がいいよって立場。
これがぶつかっているだけという世界一、クダラナイ口論だったわけですが、僕はこれって意外と大事なことだと思いました。
人は普段、必ず自分を正当化する立場から意見を言います。
「うちの会社は大丈夫」はうちの会社は大丈夫であって欲しい。「うちの妻が浮気するはずがない」は浮気なんて絶対にして欲しくない。「独立なんてやめとけ。失敗するよ」は、あなたに成功して欲しくない。「AよりBの方がいいよ!」は自分はすでにBを選んでいるから。
世のため人のため、あなたのため…そんな言葉のように聞こえることも、結局、自分の立場を守りたいだけってことがほとんどです。
もちろん僕もそうです。(人間だもの)でも僕は、そうだからこそ、人に何か言うのをやめました。
「あー、結局自分のために言ってた…」と、あとから猛烈な自己嫌悪になるから。それでも何か意見やアドバイスを求められた時は一旦自分の立場とポジションを忘れフラットな場でこれまでの経験から話すようにしています。
これは話を聞くときも同じ。誰かに何かを言われたときは、一旦自分の立場やポジションを置いて受け入れてみる。
すると新しい発見や意外な気付きがあります。そこから新しい発想やビジネス、これまでと違った価値観が生まれてきます。そもそも人間ってこうして成長するんだと思います。今の自分の立場を守ることだけ考えた思考停止した人を老害って言うんだと思います。
たまに自分のポジションを捨てる、とはこういうことです。ためしにやってみて下さい。意外と使える思考法です。