皆さん覚えていますか?コロナ前に多くの人をゾッとさせるニュースがあったことを。経団連の中西会長が次のように述べたんでした。
「正直言って、企業の終身雇用はもう守れないと思ってる」
それからわずか一週間後、また、中西会長はこのように述べた。
「終身雇用というのは、もともとルールであったわけじゃない」
終身雇用なんて幻想で、雇用される側が勝手にそう望んで、いつしか勝手にそうなるのが当たり前になってきた。けど、雇う側として見れば、そんな契約もしてないし、口約束もしてない、使えなくなった社員を切り捨てて何が悪いの?ってのが本音。
それに法律で半年や一年はクビまで猶予があるし、保険だってあるんだから、これで文句を言うなんて、どこまで甘々な人達なんだろうと。
僕から言わせると、何をいまさら…と思うわけですが、経済界のトップが、あらためて、これを言うということは、いよいよ、雇用のあり方が変わってくるのだろうと思いました。
僕は5年ほど前から、このメルマガで何度も何度も言ってきた。おそらく100回以上は言ってきたと思うんです。
「企業があなたの面倒を見ることは、もう出来ない」と。
そもそも、春に新卒者を数十人、数百人という規模で一括採用して、彼らを40年以上守るなんて出来るわけがない。
日本人というのは良くも悪くも楽観的すぎる。起業家とサラリーマンの決定的な違いを、ひとつ挙げるとするなら僕は…
“危機感”
だと思っている。起業家は常に危機感の中で戦っている。それはどんなに業績が好調だろうと、どれだけ貯金が貯まろうと危機感が薄れることはない。逆に薄れたときに、その起業家は終わると僕は思っている。
僕はコロナ前のあのニュースでサラリーマンも、いよいよ危機感を持つときが来たと思ってる。どれだけ鈍い人であっても、経済界のトップからのアナウンスで、もう分かったでしょ?
ここに来てまだ、
「いや、うちの会社は大丈夫」
「うちの社長は社員第一だから!」
とか、言っている人は終わってる。そういう感情論で人は不幸になるんです。
ただ、僕が今日お伝えしたのはここではなく、あのニュースによって大きく変わる業界があるってことです。それはハウスメーカー。
おそらく、この先、日本人って家を買わなくなりますよ。家を買う95%の人は住宅ローンを組みます。その住宅ローンは、30年以上、雇用が安定していることが大前提。
来年、自分の仕事があるかどうか分からない状況で、誰が30年ローンを組んで家を買いますか?って話です。
いよいよ、ハウスメーカーは終焉を迎えます。それに付随して、設備関係も厳しくなるでしょう。そして、ここに新たな仕組みが出来ると思われます。人が家を買わなくなっても家に住むことはなくならない。
それがシェアハウスなのか、アメリカのようなタイムシェアなのか、ホテル暮らしという人も増えるかも知れない。僕が想像しているのは、月額の会員制クラブのような賃貸。
どこかの巨大IT企業が日本中の、マンションやらアパートやら一軒家を買い占めるんです。そして会員はどこに住んでもいい。家のすべてはIotで繋がり様々なものがスマホで注文できる。
もしくは、今の住宅よりももっとコンパクトな、300万から500万円ぐらいの家が売り出されるかも知れない。車のように5年ぐらいで完済し、次々乗り替える(住み替える)ようなスタイル。
いずれにしても、働き方と同時に、日本人のライフスタイルは大きく変わるでしょう。そして、ここには大きなビジネスチャンスと投資の波が起きますので、これは見逃せませんね。