コロナウイルスは国民の分断を生みました。若者と年寄り。自粛派と経済派。オリンピック見たい派とそんなのやめれ派。コロナがはじまって以来、様々な分断が生まれました。でも、これを俯瞰してみていると単なるポジショントークだということに気が付きます。
結局、みんな自分にとって都合の良い方へポジションを取って、意見を述べているに過ぎないということです。
もちろん僕もそう。
僕はずっと自粛なんてせず経済を動かせと言ってきた。それは僕の立場からするとその方がメリットが大きいから。個人事業という立場から見れば、社会全体が自粛して経済活動がストップすると死活問題になります。だから僕は経済を動かせと言ってきた。
でも、もし僕がサラリーマンだったら…
働いても働かなくても給料の変わらないサラリーマンなら、きっと僕は自粛を叫んできたと思う。
結局、みんな自分の立場から都合の良いことを叫んでいるだけに過ぎません。だから僕は時には自分の立場を忘れて俯瞰してみることが大切だと思っています。
僕はオリンピックにまったく興味がありません。だから、内心ではオリンピックなんて中止でもいいと思ってました。
でも、そんな自分の立場を忘れて例えば選手の立場に立ったらどうだろうか?僕も学生時代、甲子園を目指した経験があるのでスポーツに人生を賭ける人の気持ちは分かる。そう考えると気軽に「中止でもいい」とは言えない。
またチケットを持っている人の気持ちになっても気軽に「中止」とは言えないし、子供にオリンピックを見せてあげたい、という親御さんの気持ちもよく分かる。
こうして色々な人の立場にたって俯瞰してみることが今の日本には大事なんじゃないだろうか。
特に政治家の人達。彼等にはこれが絶対に必要なんだけど、出来ているとは到底思えません。出来ていたら、あんな発言にはならない。西村大臣でしたっけ?
要請に応じない飲食店には、金融機関から圧力をかけてもらえ!みたいな主旨の発言があったとか。
どの立場から言ってんだよって感じです。飲食店の立場に少しでも寄り添っていれば絶対にこんな趣旨の発言にはならないはずですよね。
そして今日の本題はここからなんですが、実はこの「俯瞰する」というのが結果を出す人の共通点でもあります。
僕は勝手に「神の目」と呼んでいるのですが、ビジネスでもトレードでも結果を出す人は
必ずこの能力を持っています。
例えばトレード。あなたがドル円の買いポジションを持っていたします。一方で、世界中には必ず売りポジションを持っている人もいます。必ず。
そこで、売りポジションの人の気持ちになって考えてみる。あなたは100円でドル円を買いました。現在は順調に値が伸びて101円だとしましょう。
売りポジションを持っている人はどこまで上がればあきらめるのか?102円か?103円か?その根拠は?
また新規参入するために静観しているトレーダーも大勢います。そういった人たちはどこで参加してくるか?100円に戻ったところで買いか?それとも102円になったところから売ってくるか?こうしたことを考えることによって、自分はどこで利益確定をすればいいか見えてきます。
逆に負ける人の特徴は自分の持っているポジションを正当化するための情報だけを探そうとします。
例えば含み損を抱えている時、「きっと戻ってくるはずだ」と信じ、そうなる情報を探そうとします。
ビジネスでも全く同じことが言えます。よくラーメン屋が例えに使われますが、自分のラーメンは世界一だと自負する店主がいます。
でもなぜか売れない・・・
理由は簡単。自分の好みと自分の都合で経営しているから。
スープの味は?
そんなの絶対にとんこつに決まってる!
他より値段が高いけど?
ここ立地がいいので家賃高いんだよ!
このように全部ひとりよがり。客の立場に立っていないので売れるはずがない。客の立場に立てばスープは最低でも3つは用意する。立地というのは経営者の都合であって客には関係ない。家賃の高さを商品に上乗せするのは客の立場を無視した行為と言わざるを得ない。
トレードもビジネスも。もっと言えば恋愛や人間関係もすべて同じ。全体を俯瞰せず、自分の立場だけから物事を判断したり実行すると決して上手くいきません。
自分の立場だけを正当化せず、一度は相手の立場にもなってみる。そうすることで見える世界はどんどん広がっていきます。