コラム

ベーシックインカムの現実性と導入までのシナリオ。

ベーシックインカム(英語:basic income)とは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策。基本所得制、基礎所得保障、基本所得保障、最低生活保障、国民配当とも、また頭文字をとってBI、UBIともいう。世界中で限定的なパイロットプログラムも始まっている。(wikiペディアより)

 

新型コロナウイルスにより各国でベーシックインカム(以降BIと表記)の議論に入ったのは有名な話です。

僕が知っている限りで、今回もっとも早く公式な場で議論になったのはスペインです。ただコロナウイルス関係なく、スイス、フィンランドなどではBI導入の検討がなされていました。

もっとも現実に近づいたのがスイスです。はじまりはBI推進派による署名活動。2012年~2014年にわたって署名活動が行われ約13万人の署名が集まりました。

スイスでは有権者10万人の署名が集まれば政府に対して意見書を提出でき政府はその提案に対して国民投票を行わなければいけないという法律があります。

それにより2016年にBI導入に対する国民投票が行われたのです。この時、出された案は下記の通り。

成 人:2,500スイスフラン(当時レートで約28万円)
未成年: 625スイスフラン(当時レートで約7万円)

ただし、条件として、これ以上の収入がある人はBIを受けることは出来ないとされていました。スイスでは結果としてBIは否決されたのですが、僕は個人的にこの条件が否決の大きな要因だと思いました。

だって、働いている人が貰えなくて働かない人が貰えるなんて、どう考えても不公平ですよね(笑)

やっぱりBIを行うなら「全国民一律」でなければいけません。そのうえで仕事を辞めたい人は辞めればいいし、続けたい人は続ける。それがBI最大の利点ですのでスイスの案はちょっとBIの思想から逸れていたのかなと思いました。

他にも否決の要因として財源はどうするのか?という問題、そして当時、最も懸念されていたのが大量の移民を招くということでした。

こうした原因から考えて、やっぱりBIもそうですが国民の賛同を得るには正しい知識を得て頂くということが重要で、そのためにはメディアのあり方が重要です。

ベーシックインカム導入を妨げる最大の要因とは?

基本人間というのは「変化」を嫌います。この「人の質」を利用して煽るのがこれまでのメディアのあり方です。情報が正しいか、正しくないかは関係ない。

日本でも「大阪都構想」がありました。あの仕組みそのものは素晴らしかったと個人的には思っています。ただ当時の知事だった橋下氏がその素晴らしさを府民に説明することが出来なかったのですが、その要因がメディアです。

当時メディアでは「人は変化を嫌う」という質につけこんで「橋下氏は悪」「都構想は悪」というレッテルを貼り徹底的に叩きました。

その方が視聴率が取れるから。今のメディアのあり方は「視聴率取れるものが正義」です。それ以外は悪。つまり視聴率のためには何でもするというようなあり方です。

新型コロナウイルスでもそうでした。「このウイルスは怖い。芸能人も殺す。感染したら終わり」みたいな空気をあの手この手、演出を使って作り出し視聴率を稼ぎまくりました。

普段の朝昼のワイドショーの視聴率は3~7%程度ですが、新型コロナウイルスが始まって以来10%超える日がゴロゴロありました。すべては視聴率のために煽りまくる。視聴率のためには事実さえも捻じ曲げる。残念ながらそれが今の日本のメディアです。

だからBI導入のために最も大きな壁になるのがメディアです。メディアにとってBIが導入されようが、されないが関係ありません。

どっち側について報道すれば数字が取れるか…そこしか考えていません。都構想の時は都構想が悪、橋下氏が悪という側について報道した方が数字は取れると判断しました。

BIの時はどうなるか。おそらくは「変化を嫌う国民性」側についてBIを否定すると思われます。

ただ現代ではテレビや新聞の持つ力というのは弱まってきています。それがインターネットの出現ですね。ネットを正しく使えさえすれば誰でも良質な情報を得ることが出来るようになりました。

それは国民が真実に近づいたと僕は思っています。だからBIも既存メディアに負けず正しい知識が広まると思っていますし、そう願っています。

そして本当にその時が来たら僕も微力ながら情報伝達のお手伝いが出来ればと思っています。

ベーシックインカム導入までの2つのシナリオ

では、そんなBIですが、日本で導入される確率はどれぐらいあるのか?僕はBI導入まで2つのシナリオがあると考えています。

一つは、日本が独自にBIの必要性を感じて導入する、もう一つは、諸外国が導入してその流れで日本も。可能性として高いのは後者、海外が導入して、その流れで日本も。

2020年のコロナ給付金がそうでしたよね。覚えていますか?政府ははじめ一律2万円の給付って言っていたのです(笑)

でも、同時期にアメリカが国民一人当たり、日本円で約13万円の給付と発表。この差に日本人の怒りが爆発してtwitterを中心に荒れたのでしたよね。そこから2万円が5万円に。次に所得制限アリの一世帯30万円に。そして最後に全国民一律10万円になったのです。

あの時はすべて世論が動かしました。もちろん、与党がtwitterを見ているかどうかは分かりません(笑)

でも震源地があそこであることには間違いないでしょう。だからBIもアメリカの影響は多分にしてあると思います。

アメリカがBIを導入することによって日本も。という流れが一番、現実味があります。

じゃあ、アメリカは今BIに関してどうなのか?アメリカは失業者が2000万人を超えたことから、もう経済対策はBIしか残されていないという見方もあります。

さらにバイデン大統領はコロナ以前からBIには前向き、賛同者もFB社のザッカーバーグや天才イーロンマスク、さらにバイデン氏の対立候補だったトランプ氏などBIには党を超えた賛同がありコロナには国全体で立ち向かおうとしているのです。

さすがアメリカですよね。以前に国の借金を返すために、1兆ドル硬貨を発行しようとしていたアメリカです(笑)

その案はさすがに廃案になりましたが発想が大胆で面白いですよね。そんなアメリカです。僕は間違いなくBIを導入してくると思います。それも、そう遠くない未来に。

じゃあ、日本はどうか?日本国内にもBI賛同者は多い。堀江貴文氏を筆頭に2ちゃんねる創始者の西村博之氏、経済学者の竹中平蔵氏、岸博幸氏、経済評論家の上念司などなど…挙げればキリがないほど面白い人たちがBIに賛同しています。

彼らは発信力もあるので力を合わせれば一瞬で広がるでしょう。いずれにしても日本もそう遠くない未来にベーシックインカムが来るものと思われます。個人的には早かれ遅かれ必ず来ると考えています。

が、それはあくまでも僕の個人的な見解。個人的な見解だけで記事を書くわけにはいきませんので反対派の意見や論文も今回はたくさん読みました。確かに頷ける論文などもありました。

BI時代を見据えた人生設計を。

具体的な数字で言うと再現性60%、時期は3~5年先といったところでしょうか。ちなみに僕の個人的な見解は再現性95%、2年以内だと思っています。ということは、そろそろBIを見据えた人生設計が重要だと考えられます。

BIを見据えた人生設計とは具体的に何か?どうすればいいのか?BIの話になると、反対派の人は必ず勤労意欲の話になります。

「BIになると多くの人が働かなくなる」

というのですが、これは大きな間違いです。すでにある程度、科学的根拠も出ており、BIになると逆に生産性は上がると思います。

まず小さな根拠から言えば僕自身のお話。僕も4年前にセミリタイアしたとき、遊んでいたのは最初の3ヵ月のみでした。その後は心の底から意味不明なパワーが湧いてきて何でもいいから働きたいって気持ちになったのです。

また僕のビジネス仲間でも同じ経験をした人が多いです。現在、リタイアしてシンガポールへ行っている仲間が3人いますが、彼らも僕と全く同じでした。遊んでいた期間に多少の差異はありますが、だいたい2~3ヵ月で遊びというのは飽きてしまいます。

その後は、何でもいいので働きたいという願望が出てくると言っていました。これは何となく解明できたような気がするのですが、所詮「遊びは遊び」です。

僕も小学生の息子がいるのですがキャンプとかに行くと、何もすることがないので息子に「鬼ごっこを一緒にしよう」と頼まれるのです。仕方なく付き合うのですが、これが意外と楽しいものなのですよね。でも飽きます(笑)2~3回やると飽きてしまうのです。それは所詮遊びだから。楽しいことを、もっともっといっぱい知った大人にとっては所詮遊びなのです。

じゃあ、大人にとって本当に楽しいこととは何か?それは形こそ様々ですが、「社会とつながっている」ということ以外にありません。

仕事を通じて。ボランティアを通じて社会と繋がっているのが楽しい。楽しいというより、繋がっていないと生きていけない。ある種の防衛本能とも言えます。

おそらく人は働くことをやめません。それは社会と繋がっていないと生きていけないから。ただ、BIで本当にやりたい仕事をするようになります。「生活のためだけの嫌な仕事」
もうする必要がなくなる。

つまりBIを見据えた人生設計とは「本当にやりたいことを見つけておく」ということです。そうしないと高齢者に怒られるかも知れませんが、「若くして惰性で生きている年金受給」のようになってしまいます。

うちの近所には年金受給者が沢山いますが完全に二極化しています。朝から早く起きてゴルフに行く方もいれば夫婦で趣味の登山を楽しんでいる方もいます。

一方、ベランダでタバコを吸うためだけに外へ出てくる方もいます。両者の表情を見れば明らかに前者の方が輝いています。当然と言えば当然でしょう。

僕はBI時代こそ、遊びを知っている人の勝ちだと思っています。これは僕の年代も同じことが言えますが、遊び方を知らない人が世の中には沢山いるのです。

今回、コロナでちょっと顕在化したのではないでしょうか。自粛になり仕事も行かなくなって外出も出来ない。するとやることがなくなります。そして自粛鬱となった人が続出しました。

「暇をどう過ごすか」というのは意外と難しくてBI時代には必ずこれが課題になるはずです。

「遊び方コンサルティング」なんていう仕事が出てくると僕は本気で考えています。今までは「お金を稼ぐ」「仕事を効率よく行う」「稼ぐ」ということに価値があった時代ですが、BI時代もうそこに価値はありません。

なぜならお金に仕事も価値がないのですから当然の話です。これからは「お金を使わずにどう遊ぶか?どうやって暇つぶしをするか?」に価値が出てくるでしょう。

だから、当然それを教える仕事にも価値が出てきます。とにかくBI時代こそ、本当にやりたいこと、好きなことをやってる人間が勝つ時代です。

やりたいことがない、好きなことが見つからないというのが、いわゆる負け組となりますので、今からそれを見つける努力をしましょう。この努力は仮にBIが来なかったとしても無駄にはなりませんからね。

ABOUT ME
takayukiota
2007年にサラリーマンを辞め独立。ネットビジネス、トレードを行いながら今日まで生き抜いてきました。これからはスマートビジネス、つまり組織に頼らず個人で活躍する時代が来ると思いますので、このブログが少しでも役立てば嬉しいです!